蜘蛛の親子
ナガコガネグモ 10月にベランダのペンキ塗りをしました。 その時に蜘蛛の巣があったのでホウキで取り除いたのです。 黄色と黒色のシマシマ模様をしたナガコガネグモの巣です。 その巣には大きな成虫と膜に包まれた卵のうがくっ付いていました。 卵のうの中には蜘蛛の赤ちゃんが入っているはずです。 ペンキ塗りは掃除から塗り上げまで1週間かかりました。 蜘蛛の巣のことはすっかり忘れてしまいました。 11月の晴れた朝にベランダの窓を拭いていた時のことです。 窓の側の外壁に大きな蜘蛛がくっ付いているのを見つけました。 その側には膜に包まれた卵のうがありました。 ペンキ塗りの時に邪魔だからと取り除いたあの蜘蛛の親子です。 蜘蛛の巣は屋根の上に捨てたはずです。 この親は安全なこの場所まで卵のうを引っ張ってきたのでしょう。 蜘蛛には詳しくありませんが、身体が大きくて立派な巣を張っていたのでおそらく母親だと思います。雄は基本的に身体が小さくて巣を張らないからです。 しかし、この母親はもう巣を張る気は無いようです。 じっと、卵のうの側に寄り添っていました。 それから掃除の度に蜘蛛の親子のことを見ていましたが特に変化はありませんでした。 卵のうのそばに寄り添っているだけです。 12月に入り、厳しい寒さがやってきました。 ついに雪が降ってきたのです。 冷えた日の朝、またベランダの窓掃除をやっていました。 ぞうきんを絞る水がとても冷たいです。 顔をあげると蜘蛛の親子が目に入りました。 わたしはその時まで、すっかりと蜘蛛の親子のことを忘れていました。 しかし、蜘蛛の親は死んでいました。 身体のツヤが無くなり、全体的に色が黒っぽくなって身体が縮んでいました。 一目で死んでいることが分かります。 死骸の側には卵のうがありました。 春になれば沢山の蜘蛛の赤ちゃんが出てくるはずです。