博物館の自販機
県立博物館に行った時にジュースを買った。Qoo(クー)だ。
久しぶりに飲んだQooは美味しかった。
歯にしみるほどに冷たい。
もう少しで凍りそうな温度だ。
向こうで事務員さんに話しかける女性の声が聞こえた
話す内容が聞こえてくる。
話しかけている女性は大学生だということが分かった。
事務員さんも女性だ。
女子大学生は研究で使う資料を探しているようだ。
しかしこの博物館には置いてないらしい。
事務員さんの「置いてません」の声が聞こえたあと、しばらく沈黙の間があった。
女子大学生はお礼を言って展示コーナーの方へ戻っていった。
話は戻るが、女子大学生が事務員さんに話しかける時にすごく緊張しているのが伝わってきた。
話し慣れていないらしい。
周囲まで緊張の波に飲まれるのが分かった。
自分も思わず身構えてしまった。
女子大学生の第一声を聞いたときには宗教の勧誘かと思った。
これは本当にそう思ったのだ。
話しかけられた事務員さんも戸惑っているのが伝わってきた。
少しだけうわずったような返答をしたがすぐに調子を戻す。
相手の素性や要求が分かってきて緊張が和らいだようだ。
あとは先に書いたような展開である。
宗教の勧誘をする人も同じように緊張しているのだろうか。
あの女子大学生の話し方はそれを思わせる雰囲気があった。
一瞬にして周囲に緊張の波が走り。
全身の筋肉が固くなったような気がした。
身構えたまま言葉の続きを待った。
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